できないで終わらせない。体験が未来をひらく

名前
松下 弘美
会社名
株式会社Mao
キャッチコピー
障がいがあっても、共に豊かに
一言
鳥取県境港市・米子市で児童発達支援、放課後等デイサービス、相談支援を展開。二人の息子との子育てを原点に、子どもたちの生活力と本物の体験を地域のつながりで育てます。

はじめまして。株式会社Mao代表の松下弘美です。

鳥取県の境港市と米子市で、3歳から高校生までの子どもたちを対象に、
児童発達支援、放課後等デイサービス、相談支援を行っています。

私が大切にしているのは、ただ安全にお預かりすることではありません。
子どもたちが遊びや人との関わり、本物の体験を重ねながら、自分で選び、伝え、
社会の中で生きていくための「生活力」を育てることです。

私自身、2人の知的障がいのある息子を育ててきた母親です。
相談先も分からず、支援の仕組みもほとんどなかった時代を歩いてきたからこそ、
子どものことを家族だけで抱える苦しさも、
「この子にもっと経験をさせてあげたい」という願いも、身をもって知っています。

「できない」で終わらせない。体験から生活力を育てます

3歳から高校生まで、一人ひとりの特性に合わせた支援

株式会社Maoでは、境港市の「さかいMao」と米子市の「まちなかMao」を拠点に、
未就学児の児童発達支援と、小学生から高校生までの放課後等デイサービスを行っています。
同じ敷地内には相談支援事業所Maoもあり、
サービスの利用や日々の暮らしについてご相談いただけます。

子どもたちは、一人ひとり得意なことも、苦手なことも、安心できるペースも違います。
私たちは、季節の行事、工作、料理、友だちとの遊び、身の回りのことなど、
日常に根ざした経験を通して、その子らしい力を育てます。

「分かりません」と聞けるようになった。「かして」「仲間に入れて」と伝えられるようになった。
人前で話すことが苦手だった子が、お誕生日会の司会をした。
そんな一つひとつの変化が、学校の外でも、将来の暮らしでも、その子を支える力になります。

遊びや人との関わり、本物の体験が社会で生きる生活力につながる流れを示す図解・PC版
遊びや人との関わり、本物の体験が社会で生きる生活力につながる流れを示す図解・スマホ版

音楽も、お祭りも、お泊まりも。「本物」に触れる機会をつくる

障がいがあると、じっと座っていられない、声が出るかもしれないという理由で、
映画や音楽、文化に触れる機会から遠ざけられてしまうことがあります。
でも、それは子どもに体験する力がないからではありません。
大人の側が「難しい」と線を引いてしまっているだけかもしれません。

だからMaoでは、地域の方や音楽家とのご縁をつなぎ、
ドラムセッションや生演奏、読み聞かせ、作品発表、お祭りなど、本物に触れられる場をつくってきました。

宿泊体験では、地域の施設に協力をお願いし、ほかのお客さまに配慮しながら家族風呂を5つ貸し切りました。
お母さんから離れると泣いていた子も、仲間と一緒に一晩を過ごす。
準備する大人は大変です。それでも、やってみた先にしか見えない子どもの姿があります。

できないと決める前に、どうすればできるかを考える。
私たちは、そのための知恵と人のつながりを惜しみません。

子どもだけでなく、保護者も地域も一緒に育つ場所へ

子どもの生活力を育てるには、事業所の中だけで完結しない支援が必要です。
保護者の方、学校、地域、専門家がつながり、同じ子どもの未来を見ていくことが大切だと考えています。

これからは鳥取大学の先生方の知見もお借りしながら、
保護者や支援に関わる方が子どもとの向き合い方を一緒に学べる場も広げたいと思っています。

私たちは大きな研究機関ではありません。
でも、毎日子どもたちと過ごす現場だから分かることがあります。
子育てをしてきた母親だから受け止められる言葉があります。
現場、家庭、学びをつなぎ、鳥取からよりよい障がい児支援の形を育てていきます。

相談先も分からなかった母親が、「ないならつくる」と決めるまで

長崎のラジオと音楽の世界から、縁のなかった境港へ

私は長崎で生まれ育ち、若い頃は長崎放送で、今でいうフリーアナウンサーのような仕事をしていました。
中学生の頃からバンドでドラムをたたき、その後はボーカルへ。
人前で話すことも、歌うことも、仲間と何かをつくることも大好きでした。

結婚を機に、30数年前に境港へ移りました。
同級生も知り合いもいない土地で、放送や音楽から離れ、家業を手伝いながら子育てを始めました。

やがて2人の息子に知的障がいがあることが分かります。
仕事も暮らしも、人とのつながりも、一からつくり直すような日々でした。

生後半年の次男をおんぶして、私自身が学校の加配になった

当時、息子が通う地元の小学校には特別支援学級がありませんでした。
今のような支援体制もなく、どこに相談すればよいのかさえ分かりません。

それでも、息子には地域の学校で学んでほしい。
私は生後半年の次男をおんぶして学校へ通い、長男の加配を自分で担いました。

母親だから頑張れた、というきれいな話ではありません。
余裕があったわけでも、正解が分かっていたわけでもありません。
ただ、目の前の子どもが置いていかれないように、その時できることを必死で探していました。

その後、特別支援学校のPTAや保護者の活動を通して、
鳥取県内だけでなく全国の仲間や支援者とつながりました。
そこで得た知恵やご縁を、わが家だけのものにして終わらせたくないと思うようになりました。

定款づくりから始め、2013年に株式会社Maoを設立

子どもたちが学校を卒業したあとも、地域の子どもと家族を支える場所を残したい。
その思いから、定款づくり、行政への説明、補助金への挑戦まで、一つずつ手探りで進めました。

そして2013年3月、株式会社Maoを設立しました。

「Mao」の「Ma」は、Motherのような母を表す音。
「O」は、「オー!よく来たね」「オー!素晴らしいね」と、目の前の子を丸ごと迎える声です。

長崎から境港への移住、子育て、株式会社Mao設立から次世代と海外への種まきまでを示す年表・PC版
長崎から境港への移住、子育て、株式会社Mao設立から次世代と海外への種まきまでを示す年表・スマホ版

考えるより先に動くから、失敗もたくさんありました。インタビューでも私は、こう話しています。

「考えないで、もうやっちゃってるから。失敗もいっぱいあるんですよ」

でも、ないものを数えて立ち止まるより、「これをやった方が楽しいよね」
と動いた先で、人と出会い、助けてもらい、少しずつ夢が形になってきました。

次世代へ、そして海外へ。今はできるだけ多くの種をまく

今、Maoには、子どもたちに一生懸命寄り添ってくれる若いスタッフが育っています。
娘も事業を支え、次の世代へつなぐ準備が始まっています。

私が残したいのは、会社という箱だけではありません。
子どもの可能性を大人が先に閉じないこと。
人とのご縁を、子どもの体験へ変えること。
現場で積み重ねた支援の知恵を、惜しまず伝えることです。

将来は、障がいのある子どもの教育環境がまだ十分に整っていない地域にも、
Maoで育ててきた考え方や支援の仕組みを届けたいと考えています。
ベトナムとのつながりも、その一つの入口です。

私にできるのは、できるだけ話し、動き、伝え、種をまくこと。
その種から、次の世代が新しい支援の形を育ててくれたら、これほど嬉しいことはありません。


上記の絵は、我が家の自閉症ブラザーズ次男坊浩幸のものです。個展は4回やっています。

子どものこと、家族だけで抱えずに話してみませんか

子どもの発達や放課後の過ごし方など、Maoへ相談できる悩みを示すチェックリスト・PC版
子どもの発達や放課後の過ごし方など、Maoへ相談できる悩みを示すチェックリスト・スマホ版

こんな方は、一度Maoへお話しください

  • 子どもの発達や障がい特性について、誰に相談すればよいか分からない
  • 放課後や夏休みなどの長期休暇を、安心して有意義に過ごせる場所を探している
  • 身の回りのことや人との関わりなど、将来につながる生活力を育てたい
  • 学校や家庭だけではできない、本物の体験を増やしてあげたい
  • 子どものことを家族だけで抱えるのがつらくなってきた

うまく整理できていなくても大丈夫です

最初から、困りごとをきれいに説明する必要はありません。

最近気になっていること。家庭や学校で困っている場面。
お子さんが好きなこと、得意なこと。
これからできるようになったら嬉しいこと。
そんなお話を聞かせてください。

児童発達支援や放課後等デイサービスの利用についてはもちろん、
日々の暮らしや子どもとの向き合い方についても、相談支援事業所Maoと連携しながら一緒に整理します。

私も、相談するところが分からない母親でした。
だから、「こんなことを聞いてもいいのかな」と遠慮しなくて大丈夫です。

元ラジオパーソナリティー、今も歌う私に会いに来てください

仕事以外の私は、今も仲間とバンドを続けるボーカリストです。
人前で話すことも、歌うことも、面白そうなことに飛び込むことも大好きです。

私一人ではできないことも、ご縁をつなげばできることがあります。
地域の方、音楽家、専門家、保護者、スタッフ。
いろいろな人の力を借りながら、子どもたちが「やってみたい」と思える体験を増やしてきました。

私も手足が不自由になって、一度はとても落ち込みました。
でも、「できない」と嘆くのはもうやめよう——
そう決めて、高校生以来、何十年ぶりかに絵を描きました。
描いたのは、ひまわり。
その絵を先日、研修会の資料に使っていただきました。


子どもの未来を考えると、不安になるのは当然です。
でも、まだ起きていない心配だけで可能性を閉じなくても大丈夫です。

まずは今の困りごとを、松下に聞かせてください。
一緒に、次の一歩を考えましょう。

※株式会社Mao:鳥取県境港市上道町2231-2/電話 0859-21-5342

この記事を書いた人

まみ助

「読む人を物語の世界に引き込み、感情を体感させる」ことを信条とするストーリーテリングが強みの編集ライター。関わった書籍は商業出版では60冊以上、自費出版では70冊以上。人物の本質に迫るインタビューには定評があり、「文章だけで描く似顔絵師」の異名を取る。すべての登場人物のペルソナを丁寧に作り上げてから物語を紡ぐため、作品には高いリアリティを誇る。「無理のない範囲で、自分のできることをする」「常識を打ち破れ!」をモットーに、信頼関係だけで繋がるチームメンバーと一緒に活動中。

記事一覧をみる